スティーブン・キングのオンライン限定小説、MS Reader、bn.com eBookStore、MightyWords.comなど米国での動きや電子文庫パブリのオープン、Microsoftと紀伊國屋書店との提携といった日本の動きと世界的に見ても電子書籍ムーブメントはいよいよ本格的になってきたと思います。
 一見するとボクのウェブサイトの名称通り電子書籍という大きな潮流が流れ始めているように見えます。しかし、この流れを確かにする為に残された課題が数多くあるのも事実です。それを少し考えてみたいと思います。

 まず第1にボクは電子書籍が紙の書籍の様に一般的な物になるかどうかは、どれだけの自由度が電子書籍にあるかどうかだと考えています。

 本というのは何年も建ってから読み返してみたいと思う事がよくあります。そんな時にソフトのバージョンが違うから読めないということにもしなったら、とても悲しいと思います。

 PC版のMS Reader用に提供される電子書籍データはPocket PC版のMS Readerでは暗号技術の関係で読む事は出来ないそうです。これでは今日はPCの大きな画面で読み、明日はPocket PCを持ち歩き野原で読もうということが出来ないではないですか。
 これがプレーンテキストやプレーンテキストにマークアップを施したHTMLやsetextだとどうでしょうか。PCのブラウザで見てもよし、HP200LXやPocket PC、Palmなどに入れて外でも自由に読む事が出来ます。
 また、非力なマシンでは専用のReaderを動かすには不便ということもよくあります。

 著作権保護の問題も重要だと思いますが、あまりに作者の側に立ちすぎて、読者の利便性を軽んじている風潮があるのではないかと思います。
 そんな中で試されるスティーブン・キングの実験には大いに興味が湧くところです。

 点字データや音声データへの変換も視野に入れて考えてみてもテキスト形式というのが汎用性があり、1番楽なのではと思います。

 ちなみに、なぜボクが電子書籍という潮流を開設したのか。それは何よりも本を読むのが好きだからです。他にも色々理由はあります。例えば自分自身でも小説を書いているとかHP200LXを使っているとか。でも、やっぱり最大の理由は本を読む事が好き。それに尽きます。


 E-inkと凸版の連携強化による電子ペーパーへの期待やボイジャートアーキタンプの提携など電子書籍に関しての動きは相変わらず活発です。

 さて、紙の書籍は買えばずっといつでも読めるという事がほとんど保障されています。しかし、PC向けのT-Timeの標準形式だったTTZがPDA向けのT-Timeでは読むことが出来ないという事態がその典型だと思いますが、所謂電子書籍になるとこれが問題になってしまいます。この障害を最小限にしているのが最も汎用的なファイル形式であるテキスト形式だと言えると考えています。
 少なくとも、プロテクトがかかっていないと電子書籍じゃないなんて考え方はナンセンスだと思います。

 ちょっと話しはずれますが…。電子書籍と認識されていないけど電子書籍として多くの顧客を獲得している物にビジュアルノベルというジャンルがありますね。まあ、平たく言うと所謂18禁ゲームなんですが^^;。まあ、これについてはいずれ別の機会に書いてみたいと思います。


電子書籍という潮流
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